なぜスウェードに惹かれるのか?
特徴と扱い方
私とスウェードの出会いは、ブルー・スウェード・シューズという歌でした。実物の靴は見たことがないのに、何度も歌を聞くものですからスウェードという言葉だけをおぼえてしまったのです。そんなある日、見たこともない靴を履いた知人に出会ったのです。
一目でわかる違い。私の目はその靴に釘付けになりました。履いている知合いが、いつもとは違う特別な人に見える程の魅力を、靴に感じたのです。わたしの中で靴は光っているイメージでしたが、その靴は毛羽立っていて独特の風合いでした。それがスウェード靴だったのです。ついでにブルー・スウェード・シューズの歌詞も調べたところ、「なによりもスウェードの靴がが大事なんだ」と、お気に入りのスウェードの靴を誇らしげにはいているという内容でした。
参考までに、歌の中にくりかえし出てくるフレーズをご紹介します。
“Don't you step on my Blue suede shoes.”
(作詞・作曲: Carl Perkins 1956 Blue Suede Shoes)
スウェードはフランス語で、スウェーデン製の、くらいの意味です。スウェーデンで考案された生地の加工法を使って、フランスで作られた手袋が流行したことがあるそうです。その手袋のことをスウェーデン製の手袋(=ガーント・ドゥ・スウェード)と呼んで以来、その生地をスウェードというようになりました。表面にキズが多くて使えない皮の裏側を利用するのがスウェードの特徴です。その製法とは、子羊や子牛の皮の内側をサンドペーパーで起毛させるというものです。今では、スウェードの生地は靴以外に上着やコート、ベルト、バッグ、財布等多くの製品に使用されています。
私はすっかりスウェードが気にいてしまい、自分でも身に着けてみたいと思いました。ところが、いざ購入するとなると次の3つが気になりました。
1.本物のスウェードとフェイクに違いはあるか?
スウェード生地は本来革が材料ですが、合成皮革でスウェード調生地と呼ばれるものがあり、少し見ただけでは見分けがつかないものもあります。スウェードにかぎりませんが素材としての革の長書は、時間の経過とともに風合い(見た目が)変わっていくこと、形が自分にフィットしていくことです。合成皮革は革の長所がないかわりに、手入れをしなくても痛むことが少なく取り扱いが簡単です。
2.取り扱いが難しくないか?
ブルー・スウェード・シューズは靴を踏まないでと歌っていますが、スウェードの最大の注意点は摩擦させないことです。なぜなら、摩擦によって起毛の部分が削られて色落ちしてしまうからです。さらに悪いことには、削られた起毛によって他の衣類等に色移りも起きてしまいます。歌のとおり、他人の靴底で踏まれるなんて最悪なわけですね。
3.手入れや保管が難しくないか
履くたびに軽くほこりを落とす感じでブラッシングすれば大丈夫です。あとは、メンテナス用のスプレーを使えばOKです。最近は防水とメンテナスが一度にできるスプレーなどもありますので、それを使っておけば問題ありません。保管の際は湿気には気をつけてください。湿気のこもる場所で放置するとカビがなどがくることがあります。
以上がスウェード製品を買う際にきになったこと3つです。
余談ですが、私は靴以外にもスウェードのコートを買いました。店頭で飾らていたものから目が離せなくなってしまい、気がついたら購入していました。ぜひ、みなさんもスエード製品を買って、その風合いや手入れを楽しまれてください。